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大村紙業(3953)を1/31と2/1にショートし、またするかもな理由

大村紙業(証券コード:3953、ジャスダック)という会社の株式が1月12日(終値:783円)より急騰しています。私が最初にポジションをとったのは1月31日(水)の始値は2,165円で、終値が2,865円。直近の2月2日(金)の高値は3,895円、終値は3,275円でした。最高値で考えると、1月12日と比較で5.387倍となっています。

それまでは、600円台が古くは2006年ごろから激しい変動なく続いていました。

 

任天堂が1月18日の寄り付き(東証開始前)にNintendo Laboを発表しました。

 

大村紙業の高騰は「Nintendo Labo関連株ではないかという思惑によるもの」という説明が株式系ニュースではされています。発表前の1月17日(水)、大村紙業の終値・高値は950円で、それでも以前の株価よりは上昇しています。年末ごろからの動意(株価の顕著な変化の兆候)については段ボール市場自体の市況の良化によるという説明もされています。実際、通販の増大や、段ボール原紙の中国との取り合い等で、段ボール市況の見通しは明るかったようです。

 

Nintendo Laboの発表を見て、段ボール銘柄への波及は若干業種セクター全体としてありました。多少、私も頭にそのような連想買いのアイデアは浮かんだのですが、段ボールは差別化のできないコモディティ商品なこともあって特定の銘柄を選ぶことができず、またセクターまるごと購入するほどの資金もないため、この動きにのれませんでした。

いくつか段ボール銘柄ある中で、極端な上昇が続いているのは大村紙業(3953)と平和紙業(9929)だけです。

仮に大村紙業がNintendo Labo製品の段ボールの供給元だったとして、その際の業績への影響はどうか。供給元にしても、原紙の提供か、半製品、ほぼ完成品の提供かによって大きく変わります。映像や写真画像でみただけで直接さわったわけではないのですが、宅配便や倉庫で使われる段ボールに近しくはあっても、原材料や印刷方式、表面加工等は異なっているように感じます。そのような付加価値が加わっていることを考えると、材料サプライヤーと半製品サプライヤーでは業績への影響は大きく異なるように思えます。

ただの材料サプライヤーであった場合、仮に独占供給元であった場合でもその価格決定力は弱く、また付加価値が低い以上、他の段ボール会社に比して大きな利益を得ることはできません。半製品サプライヤーであった場合、その付加価値の内容如何によって、利益率が大きく変わってくることが予想されます。

大村紙業(3953)の基礎データに戻りますと、売上高は50億円、営業利益は4億程度、純利益は2.5億ほどです。売り上げの内訳は、段ボールシートが2割ほど、段ボールケースが6割ほど、あとはラベルとその他です。従業員数は211名、平均年収は450万円。大株主には「大村一族」が並んでいます。特定株は89.9%、浮動株は3.9%。

浮動株3.9%ここです。浮動株の基準は四季報によるもののようですが、要は市場で流通している株の比率です。大村一族とその管理会社は市場で株を頻繁に売買しないため安定株主となっており、それらが89.9%ということです。つまり、3.9%の株の価格の動きで、大村紙業全体の時価総額が動いていくということです。株式の総発行数は48万8400株。四季報前号の記載(2017年10月31日)時価総額は31.7億円、株価は648円でした(始値終値、安値、高値とも)。

大村紙業という会社の価値がわずか3カ月で5倍になったということになります。

「思惑」ということばが先ほどありましたが、Nintendo Laboの段ボールの供給元であると大村紙業・任天堂が発表したわけではありませんし、いかなる報道機関からもそのような発表もされていません。もちろん守秘義務等で発表できないだけかもしれませんが、今度は逆にNintendo Laboの段ボール/半製品供給により、大村紙業の業績に大きな影響があるのであれば、それは適時開示情報などで発表する必要があります。それが株式公開上場企業としてのルールになります。が、発表されていない。今後、発表される可能性はありますが、Nintendo Labo段ボールの供給元でないか、仮に供給元であっても売上・利益に影響を与えるほどでないからと私は考えます。

 

別の視点からも検討しました。Nintendo Laboの段ボール部分のサプライヤーとして、一番蓋然性が高いのはどこかというところです。任天堂と関係の深い印刷会社としてでてきたのは、凸版印刷、NISSHA(旧・日本写真印刷)、和多田印刷(非上場)の三社です。そのほか、製紙メーカーと任天堂の直接取があることもうかがえました。NISSHAは液晶パネル等を(少なくとも)ニンテンドーDSの頃から提供していて、また会社としても印刷よりもこういった印刷技術を活用した電子製品に主軸がいっているようで、紙への印刷物を任天堂に提供しているのかが確認できませんでした。和多田印刷に関しては、会社情報等で得意先として任天堂が挙がっており、また任天堂の支払い債務先の中に名前があったため直取引をしているのも確かです。また、すべての印刷物は和多田印刷にというような情報もあったのですが、それは「印刷会社指定発注」という形での広告会社やより大きな印刷会社(凸版印刷?)を通じての発注かと思われます。

 

Nintendo Laboについても、国内だけではなく世界同時展開です。そういった場合に全製品を日本国内で作るのかというところが疑問になります。Nintendo Switch自体、コネクタ等を供給しているホシデン(大阪府、八尾市、上場企業)での組み立てもあるようですが、多くは中国台湾の鴻海などのEMS(Electric Manufucturing Service)企業による組み立てと思われます。世界出荷を考えると都合のいいのは中国となり、Nintendo Laboの印刷も主として、最終製品パッケージング工場のある中国本土が主でやっているのではないかと思います。

和多田印刷は中国にも進出しているようで、任天堂から和多田印刷への直発注か、凸版印刷を経由しての和多田印刷か、凸版印刷系の中国工場でというのが私の推測です。

和多田印刷の持っている印刷設備・主としている製品と、印刷があったとしても段ボール製品とですと、設備や方式、生産ラインは異なってきそうですが、最終製品として使用する前提で考えると、物流用梱包資材中心の段ボール会社よりも、凸版や和多田のような会社を通じて必要な設備をもつ工場で生産している蓋然性が高いと考えました。

つまり、大村紙業の株価の上昇はまったく実態のないものという結論です。そんなことは最初からわかっているという個人投資家の人も多いかと思います。上記はわたしがリスクを取るうえで心理がぶれないための下準備です。大村紙業の株価上昇が実態のないものだとして、ではその株価上昇がいつまでいくらまで続くのか、下落するのはいつでいくらまで下がるのという予想こそが、大村紙業のトレードで利益を得る源泉です。

10月31日の出来高200株

01月18日の出来高16,200株

01月31日の出来高647,500株(ストップ高始値より下がったのはわずか5円)

02月02日の出来高392,900株(動意づいてから初めて陰線)

1月31日は場中での動きが上下にあったためそろそろかなと思いストップ高の金額から一日限定のハイパー空売りSBI証券の商標)で入り、翌日のGD(ギャップダウン、始値が前日の終値より下がること)を狙いましたが、GU(ギャップアップ)ストップ高で寄り付き(その日の市場の最初の取引成立金額)になったため大きな損失になりました。ただ、実態のない株価上昇のためいずれ下落に転ずるはずという考えはまったくぶれず2月2日(金)に陰線(始値から終値が下落)になりそうな気配であったため、再度空売り(株価が下がると儲かる)を行いました。ただ、一度大きな損を出しているためリスクを限定しようと、引け(その日の取引の終わり)で成り行き(その時の市場の値段に合わせる)での買戻しの発注をしておいたところ、なぜか約定(取引成立)せず、2月5日(月)寄り付きでの強制決済となりました。終値で買戻しできていれば一定の利益確定となっていました。

2月2日(金)の日本市場が終わったあとのアメリカ市場では大きな下落がありました。そのため、大村紙業に資金を投じていた仕手筋?の買い方もポジションを閉じる、利益を確定する、現金化する可能性は高く、引け成り行きよりより有利な価格で買戻しできるかもと期待しています。

ただ、寄り付きはその銘柄の市場に対し相対的にある程度資金力があれば操作は可能思われるため(刑法犯となる株価操縦行為となるリスクをの上でやっているのか、そこには該当しないだろうと当人として思いながらやっているのかわかりませんが)、またGPストップ高で損失確定の可能性はあると思います。

全体投資資金やリスクや期待値によるその時々の判断になりますが、引き続き大村紙業はショート目線でポジションを考えていきます。