取引を記録に残す生き残る儲ける

自身のトレードを記録に残すことで自身のトレードを直視し、生き残りと収益増加を目指す。

寸評書評『なぜあなたは株・投信で失敗するのか』田中彰一

『なぜあなたは株・投信で失敗するのか』田中彰一 日本経済出版社 2011

を読みました。文庫版もでていますが、わたしはアマゾンで送料税込341円での購入です。

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著者は1989年入社で、証券部キャップ、日経QUICKニュース社ニューヨーク支局長、日経金融新聞デスク、NIKKEI NETマネー&マーケット編集長などを経て、日本経済新聞編集局電子編集本部電子報道部デスクを2011年時点でされています。22年選手だから、記者・デスクとして油がのっているころでしょうね。ざっと、調べた限りでは著作についてはこの本の単行本と文庫本版の2冊のみです。

 

信用つなぎ売りについては、一旦手仕舞い再エントリーと比較してのメリットが一切書かれておりません。株主優待とか、長期保有株主優待とか、心理会計とか、手仕舞いしたあとの再エントリーの難しさ等は読み手のわたしも浮かびました。

 

ちょいちょい筆者が競馬で負けている話がでてきますが、読者に親しみを感じてもらおうという意図でしょうね。趣味とレジャーとして割り切って遊ばれていると思うんですが、ドワンゴ主催のプログラムによる競馬馬券収益率コンテストの記事を思い起こされました。株クラの成功者には、パチプロ等のプロギャンブラー経験者が多いようで、不確実なものへ、期待値を意識してベットし続ける点で応用可能性が高いのかなと思いました。競馬の場合、特にオッズが重要になるので、美人投票の理論や、隠れ美人をいかに見つけるかという戦略が重要になりますので。麻雀プロなら親しい友人がいるんですが。本業(インフラ系SE)を持った上での、金銭というよりは高みを目指してのプロ資格も持っている雀士です。

 

p.221の「アクティブ型の投資信託は、一度深く元本を割ったらまず資産は回復しない。元本回復は難しそうと判断したら、即刻、勉強量だと思って解約すべきである」はどちらの投資家のの方もいってらっしゃる普遍的な投資論なのでしょうが、損切りが遅くなかなかの含み損を長期で抱えた身には染みるものがありました。信用塩漬けは、日歩・逆日歩がとんでもないことになりますしね。

「しまったと思ったら手仕舞え」も同様ですね。投資に限らず「直感は間違えない。間違えるのは判断」というように、直視できなかった不安というのは後講釈でもなく、欲望と恐怖に左右されていない自分は、正確な判断が意外とできているものなのだと思います。

株式額面の名残で50円未満の低位株はリスクというのは、額面ということばが遠い昔になった2018年においては興味深く読めました。「富士銀行が株価100円割って危なかったのが、三行合併になって不死鳥のように」云々を誰かが言っていたような記憶があります。

インタレスト・カバレッジ・レシオはちゃんと把握してなかったので、式をメモしておきます。

インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息×割引料×有価証券利息)/(支払利息×割引料)

当座比率=(営業利益+受取利息+売掛金)/流動負債×100

年初来高値を超えての青天井や、株価の真空地帯、日柄調整、上値抵抗帯、需給の壁の話などは、昨年秋冬ごろから徐々に需給やテクニカル目線を増やしてきた自分にとって、ちょうど実体験と基礎理論を重ねあわせるいい復習のタイミングになりました。パフォーマンスはいま下がってますけど!

341円と電車移動時間メイン80分という時間投資としてのコスパは非常によかったと思います!初心者初級者の方は、これから絶対にハマるであろう落とし穴の予習として

w 中級者の方はこれまでハマった穴の復習とこれからハマる穴の予習として、上級者の方はベーシックな一般論と自身の経験から築きあげた独自理論をあわせ鏡にする機会として、おすすめできる内容でした。